【二度目の恋は、突然に】片山聖ハイスペ総務部長が推す相手は、削り節の香り
やっぱり、大好き
週末、家でダラダラ過ごしていた恵那のスマホに、裕太から久しぶりに連絡が来た。
《次の土曜日、一緒に出かけない?》
二人は、同じ会社の同じ部署で働いていて、毎日、顔を合わせている。
だが、付き合っていることは内緒だから、互いに知らん顔。
その代わりスマホのアプリでメッセージのやりとりをして、終業後、待ち合わせてどちらかの家に行くということを繰り返していたのだが、その連絡も裕太主導で、恵那から連絡することはなかった。
だから、二人きりで会っていない今、恵那の気持ちは静まりつつあった。
そんなところへの突然の誘い。
スマホのロック画面に《裕太さん》の文字とともに、そのメッセージが浮かんだのを見た瞬間、恵那の胸は高鳴り、顔に熱が集まった。
(ああ、私、やっぱり裕太さんが好きなんだ……)
改めて、そんなことを思いながら、文字を打つ。
《どちらへ?》
すぐに返信があった。
《アウトレットモール。こないだ仕事で行ったとき、恵那に似合いそうな服を見つけた。買っちゃる。もうすぐ、誕生日だろ?》
《どんな服ですか?》
《上に羽織るやつ?手持ちの服に合わせたいから、ワンピース、着てきな》
《紺のと、水色のと、ありますが……》
《どっちでも。いっそ、両方、着て来いや。重ね着?ってやつ?》
《それは、ちょっと(汗)》
《じゃ、水で》
トントンと、話が進む。何もなかった週末の予定が、あっさりと埋まった。
こういうところが、裕太の良さ。話が早い。そして、ぐいぐい引っ張ってくれる。
恵那の顔が、にやける。彼のことが、頼もしくて、嬉しくて。家族になりたい。そんな気持ちが、ムクムクと膨らんでいく。
と、スマホの画面に、大きなハートが、打ち上げ花火のように浮かんで消えた。アニメスタンプ。裕太からだ。
胸が、高鳴る。相手に好意を伝えるために、良く使われる手段。でも、嬉しい……。
恵那は、返事の代わりに、スマホを抱きしめた。
やっぱり、裕太さん、大好きだ……。
次の土曜日。車で迎えに来た裕太は、水色のシャツドレスに身を包んだ恵那を見て、満足げな笑みを浮かべた。
「その服に合う小物も、色々、見ような」
いつになくキラキラした裕太の姿に、恵那は、こくん、と頷く。
魔法にかけられた気分。今なら、何でも頷いてしまいそう。
促されるままに、助手席に乗り込み、前を見つめる裕太の横顔を期待に満ちた眼差しで見る。車は、滑らかに発進した。窓外のごちゃごちゃした街並みが、長閑な景色へと変わっていく。
(あれ?)
恵那は、思った。一体、何処へ行くのだろう?
心中を察したのか、裕太が、言葉を発した。
「近頃、話題のシーサイドアウトレット。そこに行く。いい雰囲気のところだよ。海を見ながら食事が出来るカフェもあるから、そこで何か食べよう!」
「うん」
恵那は、素直に喜んだ。初めてのドライブデート。しかも、その行き先が海辺のアウトレットモールだなんて。楽しみすぎる!
彼を拒んで嫌な雰囲気になって以来、一人、鬱々と考え込む日が続いていた恵那は、この日の誘いで、彼が恵那とまだ続けようとしてくれていることが分かり、それがどうにも嬉しかった。
だから、このとき、恵那は彼の気持ちを深く考えることをしなかった。ただ有り難い気持ちでいっぱいで、「今日は、思いっきり楽しむぞ!」などと脳天気に考えていた。
《次の土曜日、一緒に出かけない?》
二人は、同じ会社の同じ部署で働いていて、毎日、顔を合わせている。
だが、付き合っていることは内緒だから、互いに知らん顔。
その代わりスマホのアプリでメッセージのやりとりをして、終業後、待ち合わせてどちらかの家に行くということを繰り返していたのだが、その連絡も裕太主導で、恵那から連絡することはなかった。
だから、二人きりで会っていない今、恵那の気持ちは静まりつつあった。
そんなところへの突然の誘い。
スマホのロック画面に《裕太さん》の文字とともに、そのメッセージが浮かんだのを見た瞬間、恵那の胸は高鳴り、顔に熱が集まった。
(ああ、私、やっぱり裕太さんが好きなんだ……)
改めて、そんなことを思いながら、文字を打つ。
《どちらへ?》
すぐに返信があった。
《アウトレットモール。こないだ仕事で行ったとき、恵那に似合いそうな服を見つけた。買っちゃる。もうすぐ、誕生日だろ?》
《どんな服ですか?》
《上に羽織るやつ?手持ちの服に合わせたいから、ワンピース、着てきな》
《紺のと、水色のと、ありますが……》
《どっちでも。いっそ、両方、着て来いや。重ね着?ってやつ?》
《それは、ちょっと(汗)》
《じゃ、水で》
トントンと、話が進む。何もなかった週末の予定が、あっさりと埋まった。
こういうところが、裕太の良さ。話が早い。そして、ぐいぐい引っ張ってくれる。
恵那の顔が、にやける。彼のことが、頼もしくて、嬉しくて。家族になりたい。そんな気持ちが、ムクムクと膨らんでいく。
と、スマホの画面に、大きなハートが、打ち上げ花火のように浮かんで消えた。アニメスタンプ。裕太からだ。
胸が、高鳴る。相手に好意を伝えるために、良く使われる手段。でも、嬉しい……。
恵那は、返事の代わりに、スマホを抱きしめた。
やっぱり、裕太さん、大好きだ……。
次の土曜日。車で迎えに来た裕太は、水色のシャツドレスに身を包んだ恵那を見て、満足げな笑みを浮かべた。
「その服に合う小物も、色々、見ような」
いつになくキラキラした裕太の姿に、恵那は、こくん、と頷く。
魔法にかけられた気分。今なら、何でも頷いてしまいそう。
促されるままに、助手席に乗り込み、前を見つめる裕太の横顔を期待に満ちた眼差しで見る。車は、滑らかに発進した。窓外のごちゃごちゃした街並みが、長閑な景色へと変わっていく。
(あれ?)
恵那は、思った。一体、何処へ行くのだろう?
心中を察したのか、裕太が、言葉を発した。
「近頃、話題のシーサイドアウトレット。そこに行く。いい雰囲気のところだよ。海を見ながら食事が出来るカフェもあるから、そこで何か食べよう!」
「うん」
恵那は、素直に喜んだ。初めてのドライブデート。しかも、その行き先が海辺のアウトレットモールだなんて。楽しみすぎる!
彼を拒んで嫌な雰囲気になって以来、一人、鬱々と考え込む日が続いていた恵那は、この日の誘いで、彼が恵那とまだ続けようとしてくれていることが分かり、それがどうにも嬉しかった。
だから、このとき、恵那は彼の気持ちを深く考えることをしなかった。ただ有り難い気持ちでいっぱいで、「今日は、思いっきり楽しむぞ!」などと脳天気に考えていた。