檻の外へー極道なんて、大嫌いー
若は苛立たしげに煙草を灰皿で揉み消すと、冷徹な口調で続けた。
「その方が玲美のこと見れんだろ。ここ何日かの体たらくを見てりゃ、離しておくのは危険すぎる。家賃は俺が払う。最上階の玲美の部屋の一個下の階に一部屋空きがあったはずだ。手続きは大樹にやらせるから、三日後には移れるように準備しとけ」
隣で聞いていた兄貴が、やれやれと言わんばかりに肩をすくめて俺の方を見た。
「そういうことだ、晴樹。……若のご命令だ、さっさと準備しろよ。お前も、もっと近くで守ってやりたいんだろ?」
兄貴の言葉に、心臓が大きく跳ねた。
若の真意は、監視というよりも「どんな状況下でも玲美を守れる位置に置け」という、彼なりの玲美への気遣いだ。俺にとっては、玲美のすぐそばで毎日彼女の顔を見て、何かあったら一番に駆けつけられる、これ以上ない機会だった。
「……若! ありがとうございます! 精一杯、やらせていただきやす!」
俺は深々と頭を下げた。
若は何も答えず、ただまた新しい煙草に火をつけた。その表情は相変わらず不機嫌そうだったが、ベッドで眠る玲美に向けられる瞳の奥には、確かな執着と、彼女をこの狂った世界から少しでも遠ざけようとする必死の想いが見えた気がした。
玲美が目を覚ますまで、あとどれくらいかかるんだろうか。
俺は誓う。この部屋を出て新しい場所へ移った時、二度と彼女がこんな傷を負うことはないように、俺が命懸けで守り抜くと。
「その方が玲美のこと見れんだろ。ここ何日かの体たらくを見てりゃ、離しておくのは危険すぎる。家賃は俺が払う。最上階の玲美の部屋の一個下の階に一部屋空きがあったはずだ。手続きは大樹にやらせるから、三日後には移れるように準備しとけ」
隣で聞いていた兄貴が、やれやれと言わんばかりに肩をすくめて俺の方を見た。
「そういうことだ、晴樹。……若のご命令だ、さっさと準備しろよ。お前も、もっと近くで守ってやりたいんだろ?」
兄貴の言葉に、心臓が大きく跳ねた。
若の真意は、監視というよりも「どんな状況下でも玲美を守れる位置に置け」という、彼なりの玲美への気遣いだ。俺にとっては、玲美のすぐそばで毎日彼女の顔を見て、何かあったら一番に駆けつけられる、これ以上ない機会だった。
「……若! ありがとうございます! 精一杯、やらせていただきやす!」
俺は深々と頭を下げた。
若は何も答えず、ただまた新しい煙草に火をつけた。その表情は相変わらず不機嫌そうだったが、ベッドで眠る玲美に向けられる瞳の奥には、確かな執着と、彼女をこの狂った世界から少しでも遠ざけようとする必死の想いが見えた気がした。
玲美が目を覚ますまで、あとどれくらいかかるんだろうか。
俺は誓う。この部屋を出て新しい場所へ移った時、二度と彼女がこんな傷を負うことはないように、俺が命懸けで守り抜くと。