檻の外へー極道なんて、大嫌いー
深夜の繁華街の裏路地。
金髪のウィッグを被り、黒い黒のマスクで顔の半分を隠した私は、暗がりの中で小さく息を吐き出した。
「……これで最後」
私の足元には、小鳥遊組のシマで勝手にクスリを捌いていた半グレの男が、白目を剥いて泡を吹いて倒れている。隣では、同じく黒マスクで顔を隠した晴樹が、最後のひとりの鳩尾に容赦のない膝蹴りを叩き込んでいた。
今日の仕事は、末端の掃除。
先日、御影組の幹部たちを相手にした死闘に比べれば、この程度のゴロツキを何人制圧しようが準備運動にすらならない。私たちは淡々と作業を終え、路地裏を立ち去ろうとした。
その時だった。
「だ、だからって……! 俺たち『飛龍』は、てめぇらみたいなヤクザのパシリになる気はねぇって言ってんだろ!!」
少し離れた大通りに続く路地の入り口から、聞き覚えのある大きな怒声が響いてきた。