悪霊配信アプリ
昨日の夜、私はパンドラのオローゼットを開いた。
そこにはブランド物のバッグや靴、高価な食器がぎゅうぎゅうに詰め込まれていた。
おじさんの退職金や年金だけで購入できるとはとうてい思えない品数に、私は確信した。
あのふたりの優しさは偽物だと。
いや、私を引き取ったときには本当の優しさを見せてくれていたのだろう。
それがいつしか、父親からの仕送りが始まったころから、偽物へと変化していたのだ。
ふたりは決して派手な生活にはならなかった。
ただ、年に1度の贅沢を覗いては。
それだけだから、別に怒るようなことではなかった。
< 162 / 210 >

この作品をシェア

pagetop