札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
アリスが今さらだと言わんばかりに声を上げたが、オリヴィアも負けてはいられない。


「なので、このドレスを汚したのはわたしではありません!」


自信満々にそう言いきったオリヴィアに、アリスは何が言いたいのかわからずに戸惑っているようだ。
オリヴィアの目的はただ一つ。借金を重ねないことだ。
そこだけはロベールにアピールしなければならないし、譲れないではないか。

ロベールはアリスの元を離れてこちらへとやってくる。
ジャケットを脱いだことで、あることを察した。
もしかしてここで〝初夜〟をするのかもしれない……と。

(まだ準備運動をしていないのに……!)

しかしいつでも戦えるようにと幼い頃から訓練してきた。
オリヴィアが戦闘態勢をとろうたした時だ。

何かがオリヴィアの触れた。
ふわりと香る優しい匂い。どうやらジャケットを肩にかけてくれたようだ。
訳もわからずに彼を見上げる。
すると今にも噴き出して笑い出してしまいそうなロベールの顔があった。


「ロベール様?」

「胸元が赤くなっている。部屋に行こう」

「…………へ?」
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