札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
オリヴィアがいくら大丈夫だと抵抗しても、ロベールは放すつもりはないようだ。


「……なんで…………ありえない」

「ドレスが汚れている。帰ったほうがいいのではないか?」

「そ、そんな…………っ」

「しばらくは新婚生活をオリヴィアと二人きりで過ごしたいんだ。ここには来ないでくれ」


ロベールはアリスを挑発するようにオリヴィアの頬に口付けた。


「わたくしは、わたくしはオリヴィア様にこんなふうにされたのですよっ!?」

「アリス……この俺が、気づいていないと思うのか?」

「ひっ……!」


ロベールの声にアリスは肩を揺らした。
彼に睨みつけられたアリスは何も言えずに押し黙る。
俯いて震えている彼女を放置して、背を向けて歩き出した。


「ちょっ……!? 降ろしてください」

「……うるさい」


二人きりになった途端に、ロベールの声は冷たいものとなる。


「待って……! ロベール様っ」


アリスが名前を呼んでもロベールは無視してオリヴィアと共に去ってしまった。
一人残されたアリスに声をかけるものは誰もいなかった。

なぜかロベールに抱えられたまま、どこまでも長い廊下を歩いていく。
チラリと視線を送ると、彼がこちらをじっと見つめているではないか。

(も、もしかしたらドレスのこと怒ってる……?)
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