札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
「んぎゃ……!?」


くすぐったさに口元を押さえた。
また突発的にロベールを蹴り飛ばしてしまいそうになったからだ。
だが、彼は軽々と手の甲で叩くようにして蹴りを受け流してしまう。
それにはオリヴィアは驚愕していた。

(ロベール様って、何者なの!?)

自分の攻撃を避けられたことがないため再び衝撃を受ける。
彼は平然とヒールを脱がせて、オリヴィアの足をそっとすくう。

(貴族の男性ってみんなこうなの!? 王子様みたいなことを平然とする生き物なの!?)

身近にいた男性が父や兄のような戦いのことしか考えていはい単純な性格な人ばかりだった。
ディルムーン辺境伯領にも、こんな男性は見たことがない。
ロベールのように物静かで上辺は紳士的な男性への対応は初めてなので、どうすればいいかわからない。


「……こちらは随分とひどくやられたな」


オリヴィアの足の甲にはアリスの尖ったヒールで踏まれた跡があった。
真っ赤に腫れ上がっているではないか。
どうやらロベールは怪我を確認するためにここような態勢をとったようだ。

(この人……何を考えているのかまったくわからないわ)

多少ならば何を考えているのか表情や仕草で想像できるが、ロベールにはそれがない。
アイナスたちもそうだが、ここまで読めない行動をとる人は今まで見たことがなかった。
優しいのか、冷たいのか、上辺なのか、本心なのか悟らせないところがまた恐ろしいではないか。
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