札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
(ロベールside)



ロベールは笑いすぎでまっすぐ歩けていないマルセルとアイナスとともに自室へと向かっていた。
彼らがここまで感情を露わにしたのはいつぶりだろうか。
想像もできないような予想外なことを繰り返すオリヴィアにも驚かせる。
執務室に入ると、マルセルとアイナスは壁に寄りかかりながらまだ笑っている。


「肉体と……肉体のぶつかりっ、くくっ……」

「あの、ロベール様に馬乗りに……なびきもしない、なんてぇ……」


仮面を外して優しく微笑めば、ほとんどの女性はロベールに見惚れて場に流されてしまう。
今までの冷たい態度もあいまって、自分のことを見てくれたのだと勘違いするのだ。

けれどオリヴィアは身を任せるどころか、兄に習ったという間違った知識を信じ込んでいた。
もはや純粋すぎて何もできなくなってしまう。
戦いのことしか頭にないのかと思いきや、胸元を見られることを恥ずかしがったりと表情がコロコロと変わるのもおもしろい。

(大胆なのか純粋なのかわからないな……)

オリヴィアのギャップに翻弄されたことが自分でも信じられなかった。
初夜を戦いだと勘違いしているところもだ。
アリスに紅茶をかけられても、平然としているどころか容赦なく反撃しようとしていた。

普通の令嬢ならば涙を流すか、自分ではないと反対意見を出してアリスに圧倒されてしまう。
体を震わせながら、訴えかけるようにこちらを見るだけで自分から動くことはない。
ロベールに助けてもらおうと待っているだけだ。
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