札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
仮面をつけていることで表情は見えない。
勝手なことをして怒っているのか、それとも邪魔だから退けということなのか何もわからないままだ。
オリヴィアが暴れているためバランスが崩れるかと思いきや、ロベールは気にすることなく運んでいく。


「どういうつもりですか!?」

「…………」


そのまま運ばれていくオリヴィアだが、ロベールは訳を説明してはくれないようだ。
後ろからはマルセルと暗い表情のアイナスとエリーが続く。

(もう……この人、何考えているのかわからないわ)

今になると単純でわかりやすい父と兄が懐かしく感じてしまう。

オリヴィアは一晩中緊張感の中、動いていたからか疲れから瞼を閉じていた。

やがて寝室に到着すると、エリーが椅子を用意する。
ロベールは壊れ物を扱うようにオリヴィアを降ろした。
膝の上にジャケットをかけるのも忘れていない。

(早く体を綺麗にしたいのだけれど……)

できるなら、医師の手伝いをして彼女たちが目を覚ますまでそばにいたかった。
オリヴィアに少しだけ焦りが滲む。
難しい顔をしているオリヴィアに、ロベールは予想外なことを告げた。
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