札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
「あっ、えっと、今のは違いますから! 記憶を思い出していたといいますか、ただ思い出して真似をですね……!」


エリーたちに助けを求めようとするが、彼女たちはいつのまにか部屋にはいなかった。
椅子から立ちあがろうとした瞬間、それを防ぐかのように逞しい腕が腰に回った。


「ロ、ロベール様……?」

「少しだけ……こうしてみたい」

「……!」


オリヴィアは少しだけロベールの弱さを垣間見たような気がした。
彼のことは話で聞いただけだし、ほとんど知らないが抱えているものが多いことだけは確かだ。
あの時の父とロベールが重なったのも、そういったプレッシャーと戦っているからだろう。
ロベールはずっと孤高だったのだろうか。

オリヴィアは彼の髪を撫でた。
怒られるかと思いきや、特に何も言わないためこのままでいいだろう。
指通りのいいサラサラな毛はとても気持ちいい。

どのくらい時間が経ったのだろうか。ロベールが少しだけ顔を上げた。
その顔は照れているのか、ほんのりと赤く染まっている。


「またこうしてもいいか?」

「わたしは構いませんけど……」

「…………ん」


まるで猫のように甘えるロベールと戯れていると時間が過ぎていく。
ロベールの問いかけにオリヴィアが答えていると眠気が襲う。
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