札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
「あの……そろそろ休みたいのですが」

「……そうだな」


ロベールは名残惜しそうにオリヴィアから離れた。
彼は何事もなかったように仮面をつけると立ち上がる。
それから指を鳴らすとマルセルやアイナスが音もなく現れた。
エリーも部屋の中へ。

彼女に怪我人たちは大丈夫かと様子が知りたいと問いかけようとしたオリヴィアが動くと彼のジャケットがはらりと落ちた。

下を見ると、自分の足が露わになっていることに気づいて慌てて手で隠す。
包帯がなく、スカートを千切っていたのは自分だが、ここまで短くなってしまっているとは思いもしなかった。
それに気づいていなかったオリヴィアに、ロベールはこうして気遣ってくれたのだろう。


「それで……こんなに足を出してどうするつもりだ?」

「……え?」


ロベールの言葉の意味を頭で整理する。
足を出すほどに侍女服を破ったことを怒られているのかもしれない。


「す、すみません」

「何を謝っている?」

「服を破ってしまったので、弁償しろということかと……」


チラリとロベールを見ると、彼は眉を寄せている。


「そんなことはどうでもいい」

「……!?」

「夫である俺意外に肌を晒すな」

「へ…………?」


その言葉の意味がわからない。頭にはハテナがたくさん浮かんでいる。

(どうしてそんなことを言ったの?)

まったく意味が伝わっていないことがわかったのか、ロベールは小さくため息を吐く。


「まぁ、いい」

「えっ……はい」


ロベールが額を押さえつつ、近くにあったサイドテーブルに触れた。

するとひらりと何かが舞う。
それはオリヴィアが動きやすくて気に入っているヒラヒラの戦闘服だ。
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