札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
そして影蜘蛛たちのことを家族のように心配して身を案じていた。
それを表に出せないだけではないだろうか。

今回、五人でグミーダ伯爵家のパーティーに潜入したそうだ。
簡単な任務のはずだった。なぜなら新人がいたからだ。
そんな中、失態を犯してしまい、情報が渡ることを恐れたグミーダ伯爵によって追われ、なんとか逃げ帰ってきたそうだ。
一番怪我がひどかった女性、マリアンが皆を庇い戦った。
最後はマリアンを運ぶために彼らは傷つきつつも、ここまで運んできたという経緯だそうだ。


「彼らに命を下したのは俺だ。情報を見誤ってしまった」


ぐしゃりと持っていた紙かな皺が寄った。
マルセルもアイナスも複雑な表情だ。


「彼らは何かを隠している。せめてアイナスをここに置いておけば……」


ロベールは影たちを気遣い、大切に思っているのだろう。
でなければこの言葉は出てこない。
領民を自分の家族のように思っている父の姿とロベールとが重なった。
今回の件で彼への印象が少しずつ変わっていく。


「ロベール様はお優しいのですね」

「なに……?」


こうしてエンバルト公爵家の情報を開示してくれたのも、オリヴィアのことを少しは信頼してくれたのかもしれない。

しかしすぐにロベールは不満そうな表情に切り替わった。
気まずくなったオリヴィアは、話題を変えるために口を開く。
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