札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~

「たしかに一年で離縁するなら特に気にする必要もありませんからね!」


オリヴィアは部屋の空気が一気に凍ったことにも気づかないまま、ちょうどいい温度になった紅茶が入ったカップを持ち上げた。


「はぁ……おいしい」

「…………」


ロベールは書類と仮面を置いて立ち上がった。
そしてオリヴィアの前へ。
腕を引かれたため訳もわからずに、紅茶をこぼしてまたワンピースを汚すわけにはいかないと、慌てて机の上にあるソーサーにカップを置いた。

至近距離にいるロベールに戸惑いつつも彼の言葉を待っていた。
まるで縋るようにこちらを見ているではないか。

(えっ……何? また何かしろということ?)

ロベールが徐々に近づいてきても避けることができない。
ついには唇が触れてしまいそうな距離に近づいていた。

オリヴィアはパチパチと瞬きを繰り返す。
それと朝ごはんを食べていなかったことや目の前に軽食が置かれていたことで、お腹がグウゥウゥと部屋中に響き渡るようなけたたましい音が鳴る。
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