札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
覆い被さる彼に名前を呼ばれたオリヴィアはどうすればいいか迷っていた。
(もう勝負が始まったのかしら……?)
拳を握るが、彼が何かを仕掛けてくる様子はない。
「気が変わった」
「……え?」
「一つだけすべての願いを叶える方法がある。知りたいか?」
「わかりますよ? ロベール様に勝てばいいんです!」
拳を握り、軽くパンチを繰り出したオリヴィアに対して、ロベールは首を動かして平然と避けていく。
そして手首をひとまとめにして、ベッドに縫い付けられるようにして動けなくなった。
だが、オリヴィアは余裕だった。
なぜならかれを押し返そうと思えばいくらでもできるからだ。
「この体勢から勝負を始めるのですか?」
「まだ俺が勝ったときの条件を決めてないだろう?」
「はっ……そうでした」
これは正々堂々の勝負なのだろう。
ロベールはオリヴィアを見下ろしつつ微笑んでいる。
彼が勝ったときの条件を決めてから、勝負を始めるのだろう。
「俺は君が欲しい」
「…………はい?」
オリヴィアは聞き返すように問いかけた。
しかしロベールは笑みを浮かべたままだ。
それに『君が欲しい』と言っているが、もうオリヴィアはロベールのものではないだろうか。
そもそも契約結婚とは、そういうことではないだろうかと思い、そのまま疑問をぶつける。