札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
「お姉ちゃん、つよいね!」

「ヒーローみたい!」

「ふふっ、ありがとう」


大半の子どもたちは元気なため、自分の足で歩いて荷馬車を降りていく。
しかし四人ほどはぐったりしていてほとんど動けない。
オリヴィアが動けない子どもたちを抱えて外に出る。

三人ほどの蜘蛛の影が片膝をついて頭を下げていた。
突然現れたように見える彼らだが、オリヴィアは途中から影蜘蛛たちがいることに気づいていた。


「オリヴィア様、申し訳ありません」

「今すぐご説明をいたしますので……っ」


彼らは事情があって、荷馬車を追いながら何もしなかったのだ。
オリヴィアを囮にしたのかもしれないし、犯人がどこに行くのか知りたかったのかもしれない。
けれど今はそれどころではない。やることがたくさんあるからだ。


「左端のあなたは荷馬車にある絨毯をここに広げてちょうだい」

「…………え?」

「その隣、あなたは水場を探して。なるべく早く」

「は、はい!」

「最後にあなたはロベール様のもとに報告へ。迎えはどのくらいで到着するのかしら」

「…………なぜ」
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