札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
豪華な広い部屋の真ん中、大きなソファーが置かれていた。
そのソファが半分埋まるほどの巨体を見て、動きにくそうだと思ったのと同時に違和感を覚える。
彼は顔の上半分を仮面で隠していた。口元はでっぷりとした肉に埋もれている。
コバルトブルーの髪の男性が威圧感を放っていた。
彼が〝ロベール〟なのだろうか。
(貫禄があるけど、何かがおかしいわ)
今はそんなことを考えている場合ではないと首を横に振る。
オリヴィアはテーブルを挟んで椅子に腰掛けた。
(こ、こんなに緊張したのはお父様に前線に連れていかれた時以来だわ……!)
手のひらにはじんわりと汗が滲んでいる。
(ディルムーン辺境伯家を救うためには面接に受かるしかないのよ! 落ち着いて言葉を選びましょう)
相手を観察していると、頬と顎の贅肉に埋もれている薄い唇が開いた。
「どうせお前も金目当てなのだろう?」
「……あっ」
「この程度に耐えられないのなら今すぐ帰れ」