札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
子どもたちの肉も焼き上がり、ペロリと肉を平らげてしまった。
緊張が解けたのかお腹いっぱいになり、安心したのか寝始める子も現れた。
オリヴィアの肉塊もあっという間になくなってしまい、もう一つの部位が違う肉塊の焼く準備もしようとしたときだった。


「──オリヴィアッ!」


肉塊に塩をまぶしていると大声で名前を呼ばれて顔を上げた。


「……ロベール様?」


こんな山道には何台も馬車が続いていた。
連れ去られた子は、ほとんどが女の子なのでロベールを見て『王子様が迎えにきたー!』と目を輝かせている。
しかしロベールの姿を確認しても気にすることなく、肉を焼くのに夢中だった。
鼻歌交じりで、火の管理をしているオリヴィアはロベールにまったく関心がないように振る舞っていた。


「オリヴィア……」


ロベールが声をかけようと片手を伸ばしたときだ。


「ロベール様はわたしを囮にしたのですか?」


その問いかけにロベールの指先がピクリと動く。
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