札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
肉塊が焼けるのを待つ間、ロベールは終始、嬉しそうなオリヴィアをじっと見つめていた。


「やはりオリヴィアが傷つくことが許せそうにない」

「……えっと」


彼の視線は拘束を解く際に擦れてしまった手首の傷に視線を送っていた。
彼は本気で言っているのだろうか。
その怒りはひしひしと伝わってきた。


「二度このようなことはないようにする」

「この程度なら別に構いませんけど……」

「俺が耐えられないんだ」

「……?」


オリヴィアは大したことではないと思っているが、ロベールは違うようだ。
彼とは考え方の差があるのかもしれない。
焼けた肉を分けようとするが、彼は首を横に振っている。
それからオリヴィアが肉を平らげるまで、ロベールはずっと隣に座っていた。

その間、荷馬車ではマルセルが情報収集を始めたのか、定期的に悲鳴が聞こえてくる。
オリヴィアのお腹はパンパンになる頃には、マルセルが血まみれの状態で笑顔で出てきた。


「どうやらグミーダ伯爵とその娘、サンドラ嬢が関わっているようです」

「はぁ…………」


ロベールは深々とため息を吐いた。
グミーダ伯爵は前々から怪しんでいたようだ。
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