札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
「お父様、わたしはエンバルト公爵家に嫁ぎます」

「だが……!」

「ディルムーン辺境伯を、お母様を救うにはそれしかありませんから!」

「…………オリヴィア、すまない」


父は申し訳なさそうにしている。
それに継続的な援助で失敗続きの事業もうまくいくかもしれない。
望みは薄いかもしれないが、これに賭けるしかないではないか。


「どんなことがあっても結婚生活に耐えてみせますから!」


その後、父の応接室に向かい、お金の使い道をじっくりと考えていた。
オリヴィアの希望は母の体調を第一に考えてほしいことだ。
父も今回ばかりは金の使い道に慎重になっているようだ。

それを話していると、ディルムーン侯爵邸の門に見知らぬ馬車が停まっていた。

豪華な馬車から降りてくる仮面をつけたロベールは、圧倒的オーラを発しているではないか。
数日前、オリヴィアと会ったときとは違う姿形をしている。
今回は前回の巨漢の中年男性とはまったく別で少年の姿で現れた。

(あのロベールって人……関節はどうなっているのかしら)

ロベールがどうやって骨格を変えているのか想像もできないが、こうして見目を変えているのは何か意味があるのだろう。
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