札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
父と挨拶をかわしたロベールと、隣には天使のように微笑んでいるアイナスの姿があった。
そんなアイナスが来た雰囲気を察知したのか、ジョセフィーヌが扉を蹴破って入ってくる。


「久しぶりですね、ジョセフィーヌさん」


ジョセフィーヌは大喜びでアイナスに擦り寄っているではないか。
アイナスは平然とジョセフィーヌを撫でているが、壊れた扉からは冷たい風が吹き込んでいた。
それからおいしいご飯を持ってこなかったオリヴィアには唾を吐きかけていた。


「思った以上にひどいな」


ロベールのその言葉に父もオリヴィアも何も返すことができなかった。
彼は近くにあった書類をペラペラとめくって確認している。


「ディルムーン辺境伯、こちらは……?」

「あ、新しい事業を立ち上げようと……」

「なるほど、これでは成功する確率は低いですね」

「「……!?」」


当然のようにそう言ったロベールに父は驚愕していた。
オリヴィアは父が事業に失敗すると言われたことではなく、成功率が低いと書類を見ただけで言いきったことにびっくりしたのだ。


「まず辺境という場所でこれは不可能。流通に時間がかかるのも問題です」

「た、たしかに……!」
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