札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
「たしかディルムーン辺境伯には質のいい鉱石が採れるはずですよね?」
「だが、滅多に見つからないんだ。人手もかかる」
「だからこそ価値が出ます。まだ市場に出回っていないのならチャンスはたくさんあるはずです。その希少性とあなたの英雄というブランド、それを使いましょう。流通は僕に任せてください」
「それはありがたい申し出だが、皆を頼るのは…………」
「頼るのではありません。仕事を割り振るだけです。幸い、資金はたくさんあるのです。この土地がさらに豊かになります」
「おお……! ならばそうしたい」
「それとディルムーン辺境伯自身が王都に出向き、騎士たちの指導をするのはどうでしょうか。騎士たちも喜び、士気が上がります」
「だが、今の状況でここを離れるわけには……!」
「公爵家から人を派遣しましょう」
父とロベールの議論は白熱していた。
なんでも一人で抱え込んでしまうのは父の悪い癖だ。
それをロベールがうまくいなして助けてくれているように見えた。