札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
「本当にわたしでいいのですか?」

「ああ、まぁ……別に誰でも……ゴホン」

「…………」


歯切れの悪い返事を聞いて、オリヴィアはあることを察する。

(今、絶対に〝誰でもいい〟って言おうとしたわよね)

彼はある程度の条件を満たせば誰でもよかったのではないだろうか。
それにこんな大金をくれたのだ。
ただより怖いものはないというが、これからそれ以上のものを要求されるのかもしれない。


「君こそ、こんな形で結婚を決めてよかったのか?」

「娼館で働くよりはよさそうなので……」

「……娼館? なぜその場所が?」


不思議そうなロベールに、オリヴィアはあの場に辿り着いた経緯や、娼館の面接だと勘違いしたことを話していく。


「つまり、君は僕が娼館のオーナーで娼婦として採用されたと?」

「つい先ほど父が手紙を読むまではそう思っていました」


自然と少年姿の彼に視線を合わせていた。
ロベールはなんとなく噛み合わない会話や、オリヴィアがお金を稼ごうとしていたことを含めて、すべてを理解したのだろう。
すぐに俯き、小さな体が微かに震えているではないか。
怒らせてしまったかもしれないと様子を窺っていると、彼の唇から微かに声が漏れる。
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