札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
「フッ──!」
「……?」
「くっ……ふ、はは」
怒っているわけではなく、笑っていると気づいて安心していた。
誤解も解けたが、まだロベールという人物がわからない。
本当の性格がわからないからこそ、二人きりになりたいと言われて緊張したのも事実だ。
まさか自分が貴族の令嬢として、公爵家の当主と結婚するなど思ったことは今まで一度もなかった。
「君に娼婦が向いているとは思えないけど」
「そんなことありません。ですが、お父様にもそう言われました。人が死ななくてよかったと」
「はっ……それは怖いな」
すると彼はオリヴィアを覗き込むように顔を近づけた。
まるで青空のようにスカイブルーの瞳が、オリヴィアを映し出す。
「…………綺麗」
「は……?」
「瞳ですよ。まるで宝石みたい」
「……。君は一体、何を考えているんだい?」
何を考えているか問われても、そのまま思ったことを口に出しているだけだ。