札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
「何故、見つからない?」
「申し訳ございません。移動を繰り返しているようです」
「消えるようにいなくなるそうです」
「なんとしても子どもたちを探し出せ。どんな手を使ってもいい」
「かしこまりました」
それも不穏な言葉が並んでいるではないか。
(王都で子どもたちがいなくなっているの?)
向かい側の席には大量の書類が積み上がっていく。
見かねたオリヴィアが手伝いを申し出たものの……。
「必要以上に俺に干渉するな。自分の仕事を文句を言わずにこなすこと……そう言っただろう?」
「…………はい」
そう一蹴されてしまえば、何もすることはできなかった。
先ほどまで忘れていたが、オリヴィアはロベールに札束でビンタされたことを思い出す。
妻を決めるためにしても、あのやり方は過激だ。
その札束にまんまとつられたオリヴィアが言えたことではないが。
今まで毎日、お金の心配をしながら働き通しだったため、何かをしていなければ落ち着かない。
だが、今はおとなしく窓の景色を見ているしかなさそうだ。
(外見が違えば、喋り方も性格も変わるのね。少年の姿はかわいらしかったのに……)
また一つロベールのことを知ることができたようだ。
オリヴィアは移動中は暇すぎて、ひたすら眠っていた。
その間、彼が仮面をとってオリヴィアに優しく触れていたとも知らずに……。