札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
「ここが俺たちの部屋だ」
「……!」
オリヴィアの部屋、ではなくあえて『俺たちの部屋』と言ったような気がしていた。
ロベールはそのあとも淡々と説明を続ける。
オリヴィアは空腹を紛らわせるために必死で気を逸らしていた。
「必要なものはすべて揃っているはずだ」
「……ありがとうございます」
そう言った瞬間、背後に気配を感じたオリヴィアは反射的に殴ってしまいそうな腕を押さえた。
(ふぅ……危ない危ない)
相手に敵意がある場合、容赦なくいけと言われて育てられていたオリヴィア。
この屋敷に来てから無数の視線や人の気配にやきもきしていた。
気配なく近づいてこられるとどうしても無意識に反応してしまいそうになるからだ。
誤魔化すようにヘラリと笑いつつ挨拶をする。
「足りないものがあれば侍女のエリーに言ってくれ」