札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~
「わたしでよければ……是非」
「嬉しいわ。たくさんお話ししましょう……ね?」
ぞくりと不穏な空気を感じたオリヴィアは、彼女を傷つけないようにそっと手を払う。
アリスが何かをしてくるのは間違いなさそうだが、今はついていくしかないようだ。
(契約解除されたら大変だもの……!)
アリスに促されるようにして中庭へと向かう。
そこには咲き誇る色とりどりの花々や真っ白なベンチに噴水まであるではないか。
あまりに立派な庭にオリヴィアは感嘆の息を漏らす。
ガゼボがあり真っ白なアンティークテーブルの上には、ティースタンドや薔薇が描かれた紅茶のカップがあった。
(貴族の暮らしって、本当にこんな感じなのね……お母様の言っていた通りだわ)
幼い頃に母から聞いていた貴族の令嬢として過ごした話は、半分夢物語だと思って聞いていた。
なぜなら辺境での暮らしはまったく違うからだ。
それが今、美しいドレスを着てお茶をしようとしていることが信じられない。