余所者-よそもの-【 3 】

77話:大切なものの為に



――――……
――………



「チカ様ぁ。住人揃いましたぁ」


意気揚々とデックが部屋に飛び込んでくる。


僕は右手をゆっくり握った。


「……いける」


病院では三ヶ月は固定具を外せないと言われた右腕。

それが二ヶ月も経たずに、ここまで動くようになった。


鬼切の薬のおかげだ。


完全じゃない。

それでも、ママをこの腕に抱えるくらいならできる。


「デック」

「あいぃ」


デックはその場でぴょんぴょんと跳ねて、準備運動をしていた。


「もう暴れていいんですかぁ?」


僕もデックも、準備は整った。


「お前、今日死ねる?」

「よろこんでぇ!」


相変わらず頭はおかしい。

十分に、通常運転だ。



「――……いくぞ」



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