余所者-よそもの-【 3 】
104話:龍翔鳳鱗
私はここに残る。
そう方針が決まると、一度止まっていた宴会は何事もなかったかのように再開した。
さっきまでの重たい空気が嘘みたい。
AnBarのフロアには、再び笑い声が溢れている。
「おいデック。飲め」
「い、いやぁ。結構っていうか、なんていうかぁ」
ソファに座ったリンコが、隣のデックに絡んでる。
リンコはデックに当たりが強い。
「ああん?飲みなさいよ!アタシの酒が飲めないっての?」
「いやぁ、リンコさぁん。俺ぇ、もう……」
「ケツにぶち込むわよ」
「あはははぁ。チカ様ぁ。俺ぇ、新たなトビラ開いちゃうかもしれませぇん」
助けを求めるようにデックが千景を見た。
千景はいつの間にかカウンターに移動していた。
「逝ってらっしゃい」
背中を向けたまま、とても興味なさそうに返した千景。
「……セカオワ。」
デックの世界が終わってしまったらしい。
リンコに肩を抱かれ、口の前で傾けられたグラスの中のアルコールを飲み込んでいった。
「……酒も力も強いってぇっ!潰れるぅ!いろんな意味でッ」
ギブアップだ、と肩に回るリンコの手をタップするデック。