余所者-よそもの-【 3 】


「やめろ、酒ヤクザ」

リンコの首根っこを掴んだトウジが、自分のグラスをクイ、と軽く煽る。


「無理に飲ませるな。酒なら俺がいくらでも付き合ってやるから」

「やだ!やっぱりトウジっていい男」


嬉しそうなリンコ。

デックはげっそりとしていた。


「トウジさぁん。どうかそのままその怪物をロックしててくださぁい。野放しにしちゃいけないヤツだ、それぇ」

「誰が怪物だコラァ!」


どうして煽っちゃうかな。

再びリンコにもみくちゃにされるデックに、みんなが笑う。


私だって笑いながら、ふとカウンターへ目を向けた。


「………」

カウンターには、ノートパソコンを開いたユキ。

その両隣には画面を覗き込む潤と、千景が座っている。


三人はこちらの騒ぎなんて聞こえてないように、何やら真剣な話をしているようだった。


「あれ。もう酒ねぇぞ」

その声にテーブルを振り返れば、バンが空になったボトルを振っていた。


「取ってくるね」


私は立ち上がって、カウンターへと向かう。


< 426 / 447 >

この作品をシェア

pagetop