余所者-よそもの-【 3 】
「やめろ、酒ヤクザ」
リンコの首根っこを掴んだトウジが、自分のグラスをクイ、と軽く煽る。
「無理に飲ませるな。酒なら俺がいくらでも付き合ってやるから」
「やだ!やっぱりトウジっていい男」
嬉しそうなリンコ。
デックはげっそりとしていた。
「トウジさぁん。どうかそのままその怪物をロックしててくださぁい。野放しにしちゃいけないヤツだ、それぇ」
「誰が怪物だコラァ!」
どうして煽っちゃうかな。
再びリンコにもみくちゃにされるデックに、みんなが笑う。
私だって笑いながら、ふとカウンターへ目を向けた。
「………」
カウンターには、ノートパソコンを開いたユキ。
その両隣には画面を覗き込む潤と、千景が座っている。
三人はこちらの騒ぎなんて聞こえてないように、何やら真剣な話をしているようだった。
「あれ。もう酒ねぇぞ」
その声にテーブルを振り返れば、バンが空になったボトルを振っていた。
「取ってくるね」
私は立ち上がって、カウンターへと向かう。