余所者-よそもの-【 3 】
潤が、横からパソコンを操作する。
「今のこの頭数、露天街は最低限で組んでるのか」
「ああ。希望的観測は抜きだ。こちら側につく露天街はまだ一部。露天街丸ごと動かせるかは、八賀次第」
「これだけユキの好き勝手させてんのに、八賀は何を渋ってる?」
「今は止める理由がないだけだ。露天街に利がある。でも、シトウと正面から抗争するとなれば話は別」
「そりゃまぁ、勝ち馬に乗りたいわな」
「今のところ、八賀からは明確な返事がない。勝率を読もうとしてる」
難しそうに顔を歪めた千景が、胸の前で腕を組む。
「八賀がシトウにつく可能性を考えれば。こっちの手札を見せるわけにもいかないな」
ユキは肘をついた手を口元に当て、深く考えている様子。
「………」
私は三人の会話を邪魔しないように、音を立てずにお酒を置いた。
「お前、ズルいことは得意だろ。さっさと八賀を口説き落とせ。そうすればもっと勝ちは固くなる」
「わかってる。全て正しいことを伝える必要はない。ただ……」
言い淀んだユキに、潤が言葉を繋ぐ。
「シトウと俺らの頭数の差。こっちの手札を知らない八賀からすりゃ、これが一番わかりやすい判断材料だわな」
そして三人は揃って難しい顔をして、黙り込んだ。