余所者-よそもの-【 3 】


すると。

「……おい、やめろ!何してる!」


「まさかまさかとは思っていたけれど……」

リンコが横からバンのスマホを奪い、耳に当てた。


「返せ!」

スマホを取り返そうと飛びかかるバンを、一発のグーパンチでねじ伏せた。


そうして、そのまま。

電話口に向かって話しだす。


「総長、出して」


突然の横やり。

知らないはずの相手への、無遠慮な要求。


「……そう。だけどタクマ、アンタの意見は聞いてない。アタシは総長に取り次げって言ってる」

バンは「やめろ!何勝手やってんだ!」と床に転がりながら叫ぶ。


「アア?誰に向かって口利いてる、だァ?」

スマホの向こうから、明らかに苛立った男の怒声が漏れ聞こえた。


――その瞬間。

リンコの声色が、変わった。

低く。
重く。

まるで、地の底から響くように。


「てめぇこそ、誰に向かって口利いてやがる」


「………」

私は思わず、息を飲んだ。



「アタシが誰かだと?……あたしか?俺は……俺ァ。


……龍翔鳳鱗 初代総長――鳳山(ホウヤマ) 翔(ショウ) !!」

――……


「その腐りきったケツ、今からぶっ叩きに行ってやるから、雁首(ガンクビ)揃えて待ってやがれ!クソがッ!!」



怒鳴りつけたリンコ。

床に転がったバンに向かって、通話終了画面を映すスマホをぽいっと投げた。


フロアが、しんと静まり返る。


「………」


……なんだって?



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