余所者-よそもの-【 3 】
「ってことは……ガチで?……リンコ、お前が初代?」
リンコが静かに振り返る。
するとバンは、うわごとのようにペラペラと語りだす。
「龍翔鳳鱗……5人で立ち上げた無名の族を、たったの2年足らずで300超の巨大勢力まで膨らませ……」
「………」
「恐怖による支配でも、力による支配でもない。『ただ”友達”としての話を広げ、気付けば県下を取ってしまっていた』――そう本人が語ったとされているが、その真意は定かではない……」
「………」
「それもそのはず。龍翔鳳鱗を二代目に引き継ぐや否や、突然姿を消した。実在すら疑われた幻の、伝説……」
プルプルと震えるバンは、ゆっくりと指先をリンコへ向けた。
「龍翔鳳鱗 初代総長――幻影のショウォォォォォ!?」
フロアに響き渡った絶叫。
一瞬の静寂のあと、真っ先に噴き出したのはトウジだった。
「なんだ、その胡散臭いウィキペディアは」
「ああ、僕知ってます。当時あった暴走族の雑誌に僕ら載ったんですよ。多分そのときの初代の紹介文ですね、それ」
「それにしたって、なんでコイツ丸暗記してるんだ?俺らのファンか?ガチ勢すぎるだろ」
次々と笑いながら口を挟むレン、アズマ。
呆気に取られていたリンコも、気を取り直した様子で口を開いた。