余所者-よそもの-【 3 】
バンが「あわわっあわわわわ!」とすっかり言語を失ったままスマホを操作する。
その隣で、トウジがカウンターを向いた。
「ユキさん、チカさん。一瞬、表に出られますか?」
呼びかけられた二人は静かに立ち上がった。
「人手が必要だと聞いて、族のOBに声をかけてたんですが。どうも話が勝手に広がってしまい」
出入口に向かいながら経緯を話すトウジ。
「お前も来い」と呼ばれたリンコと共に、私もなんとなくついて歩いた。
「ご足労おかけして申し訳ない。でも、どう考えても店に入りきらなかったので」
――ガチャ、とAnBarのドアが開く。
そこには。
「おかえりー初代!」
「翔!水クセェじゃねぇか!勝手に消えやがって!」
「元気だったかー!」
「会いたかったぜ!翔!」
「翔ー!!てめ、貸した漫画返せ!」
店の前。
細い路地を埋め尽くす、人の群れ。
リンコを一目見たいと、声を挙げながら押し寄せてくる。
「………」
「………」
ただただ、呆気にとられる私たち。
トウジは「わかったから、静かにしろ!」と、声を張って集団を黙らせた。