余所者-よそもの-【 3 】
「えらい景気がええやないか」
「おかげさまで」
「この騒ぎは」
「対シトウの増援」
「どっから持ってきた」
「隣町」
八賀とユキは、短い会話を淡々と交わした。
けれど、そこで八賀の目つきが変わる。
「おまん……本気で、この街を獲れると?」
「ああ。獲る」
「………」
「八賀さん。いい加減、俺に乗っかれよ」
「解せんのや。この……死んだ区画、露天街の外れ。ほそぼそと商売しとっただけのお前が。なぜ、街を獲る」
八賀の問いに、ユキはすぐには答えなかった。
心配になってちらりと目をやると、視界が揺れる。
――え?
ユキに腕を引かれ、隣に立たされた。
「別に、街そのものに興味はない」
「あん?」
「ただ」
ユキは私の肩を抱いた。
「欲しいものを素直に欲しがったら、この街が必要になった」
きゅう、と肩を抱く腕に力がこもる。