真夏の一夜は恋の始まり(新装版)
 長崎に着くと実家住まいの弟の清一さんが迎えにきてくれた。大一の実家は空港から1時間半くらいの所にあるらしい。

 私は実家にお邪魔する事になった。実家とか緊張する…。大一はそんなに緊張しなくても大丈夫と言ったけど、やっぱり改めてお邪魔するとなると緊張する…。
 私は着くまで1人そわそわしてしまうのだった。

 大一の家は本当に海の近くにあって港町だった。私は間近に見える海に息を呑んだ。

 「凄い。本当に海だね。」

 眼前に広がる海に私は目を輝かせた。大一の実家は古い純和風な佇まいながら大きい立派なお家だった。その立派な佇まいに少し尻込みしてしまう。

 「ただいま。」

 ガラッと清一さんが実家の玄関の引き戸を開けた。
 
 「おかえり〜。」

 中からお父さんとお母さんが出てきて私達を出迎えてくれた。

  「遠路はるばるよく来てくださいました。」

 気の良さそうなお母さんが明るく出迎えてくれて私はホッとした。

 「は、はじめまして。木所花凛です。」

 私は深々と挨拶した。

 「まあ〜。可愛いお嬢さん。とりあえず上がって上がって。」

 お父さんは無口で何も喋らないけど、大一に似ていて、無口で無骨な印象だ。

 大一は見た目も中身もお父さん似なんだなと1人納得してしまった。

 お母さんが凄く優しそうな人で良かった。私は心か
らホッとし、安堵した。

 私は家の中に招き入れられ、大一のご実家にニ泊する事になった。
< 151 / 185 >

この作品をシェア

pagetop