追放先で再会した初恋の男は、罪深い私を愛し続ける 〜断罪令嬢エリザベートの初恋回帰〜
溌剌とした雰囲気の女性は季節に反するような少し露出の高い服装で、そしてエリザベートが身につけていたものと同じ甘い香りを纏っていた。

「ねぇ、今夜どうするの?」
「後で行く」

たったそれだけの会話。
なのに短く答え片手を挙げるベリルの姿が気になって仕方なかった。

何が、などと主語のない二人だけに通づる話はエリザベートの中で様々な疑問が湧き上がる。

――あれは誰?
――恋人なの?
――このストールの元の持ち主はあの人?
――夜に会うほどの仲なのに、私を抱きしめたの?

ベリルの日常を垣間見てしまい、心をぐしゃりと握り潰された気分になってしまう。
そんな資格などないのに。

もう何年もずっと感情の起伏を感じることなどなかったエリザベートの心は容易く掻き乱されていた。
家の前に着くとベリルは唐突にそれを指摘した。

「何か俺に聞きたいことがあるだろ」
「いいえ……」
「へぇ。熱い視線をもらっていたもんだから、気になったんだが」

かつて交流があった頃と変わらず些細な変化に気付かれてしまう。

「……てっきり嫉妬でもしたかと思った」

ただしあの頃とは違うのは、ベリルがその問題から逃がしてくれないことだ。

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