追放先で再会した初恋の男は、罪深い私を愛し続ける 〜断罪令嬢エリザベートの初恋回帰〜
嫉妬などと言葉にされ胸がどきりと鳴ったがエリザベートは冷静に吐息を零し扉を開く。

「自惚れすぎよ」

そして部屋の中に入りすぐさま扉を閉めようとした。
これ以上、入ってこられないように。

「今日は案内をありがとう。あなたの仕事は終わったわね」

しかし扉が閉じるよりも先にベリルの指が隙間に差し込まれる。

「……待てよ。お前がなに考えてるかなんて隠しても無駄だ」

「随分と手荒に育ったのね……」

ささくれのように痛む感情のまま言えば、それ以上こじ開けられることはなく、ベリルは眉間に皺を深め、少し傷ついたような顔をする。

その反応にエリザベートは瞳を揺らした。

言うべきでなかったと後悔したが、遅い。

「――これだけは言っておく。生きるために何でもしたが、お前を忘れた日はない」

それだけ残すとベリルは手を引いた。
力の抜けた扉は軽く、しかしこの瞬間は明確な隔たりを感じエリザベートは言葉に迷う。

そうしているうちにベリルは「また明日くる」と言い残し去ってしまった。

時間が経過すればするほどに、エリザベートの中に生まれた後悔は膨れ上がっていた。

勢いあまって言ってしまった言葉にきっとベリルは傷ついた。
苦労したに違いない人生を、手荒などと言ったのは間違いだ。

――明日は必ず謝らないと。

そんなことを考えながらストールを握り締める。

悶々とする感情を抱えて夜を過ごし、横たわってから長い時間をかけようやくエリザベートは眠りについたが、しかし翌日になって訪ねてきたのは思いもよらぬ相手だった。
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