追放先で再会した初恋の男は、罪深い私を愛し続ける 〜断罪令嬢エリザベートの初恋回帰〜

篭絡不可

エリザベートはテオに訊ねた。
本当に愛してくれているのかと。

なるべく不安そうに、そして非力であると分かりやすく双眸を伏せて。

「あぁ、もちろんだよ。じきにルキリュ領を出るから安心してくれ。私の領地に君と暮らす邸を用意している」

「そうなのですね……ですが私、揺れが気持ち悪くて……少し休むことは出来ませんか?」

未だエリザベートの顔を包むテオの手のひらに嫌悪を飲み込み頬を寄せては悲痛に訴える。

「困ったな……逃げられてもいけないし、しかし愛しのエリザベートが辛い思いをするのも憚られる……」

テオは悩まし気に顔を歪めた。
それから思案するような素振りを見せたのでエリザベートは視線を上げて答えた。

「逃げたりなどしません……私を想ってくれた行動に今は感謝しています」

静かに告げるとテオは頷いた。

「まぁ、こんな場所だが……良いだろう」

するとテオは前方に向かって馬車を止めるよう声を上げた。
速度が徐々に落ちてゆき、最後に大きく揺れて馬車が止まる。

そして幌が開くと朝日が差し込んできた。

あまりの眩さに目を瞑る。
随分と走ってきたようだ。

徐々に目が慣れてきて時間の経過を感じながら、エリザベートは身体の拘束を解き始めるテオの行動に疑問を抱く。

先ほどは警戒する発言をしていたのに、完全に縄を解いてしまったのだ。

「……邸に着くまで我慢しようと思ったけど、君が煽るからね。休憩がてら既成事実でも作ろう」

テオはエリザベートの膝に手を置くと身を乗り出して影を落とした。

縄を解いたのは、行為に及ぶためだったのだ。
唇は震えたがエリザベートは取り乱さないよう冷静にテオを見つめる。

「私に感謝しているなんて嘘だろう?報告では君はずっとベリルという男に守られていたそうじゃないか。まるで恋人のように仲睦まじく過ごしていると……そんな君が僕に感謝?」

口端を歪めて笑うテオに恐怖を覚える。
そして強い力で荷台の床に押し付けられるエリザベートは呻いた。

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