〝選ばれるはず〟だった令嬢がいるのに、彼は私と契約結婚する


 私ひとりだったら、もう少し手間取ったのは確実……。来てもらえて助かったな。

 改めてお礼をしておいたほうがいいと思い立ち、名刺の裏にメモしてもらったメッセージアプリのIDを検索する。

 出てきた白河先輩の名前を追加し、簡単に今日のお礼文を作っていく。

 プライベートなメッセージにしては少し堅苦しい文面になったけれど、先輩相手だし問題ないだろうと送信をした。

 その後、そのままシャワーを浴びて出てくると、スマートフォンにはメッセージアプリの通知がポップアップされている。

 白河先輩からのメッセージで、すぐにアプリを開いた。

【白河です。連絡ありがとう。あんな形での再会だったけど、またこうして縁があって嬉しいです。縁談の席は大丈夫だった?】

 なぜか何度も文章を読み返してしまう。

 そしてすぐに文章を考え、返信を作っていく。

【声をかけていただき、先輩だとわかって本当に驚きました。私ひとりではもたついたところ、的確なご対応に感謝申し上げます。はい、こちらは事情が事情でしたので問題ありません】

 出来上がった文を読み返して確認し、飛行機マークをタップする。

 スマートフォンを一度手放して置いたものの、意味なくトークルームを開いて送った文を読み返したりしていた。

 なんか、おかしな文で送っちゃったかな。感謝申し上げます。って……堅苦しすぎる?

 そんなことを思っているうち、送ったメッセージの下に新着のメッセージが入ってきて驚く。

【こちらこそ、どうもありがとう。本当はもっと話がしたかったけど、今日は時間が足りなかったから、今度改めて食事にでも行きませんか?】

「えっ……!」

 思ってもみない返信が来て、しつこいくらいに何度も読み返す。

 しょ、食事のお誘い⁉ 白河先輩から⁉

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