結婚してもおひとり様を貫きますから~俺様御曹司は孤独な契約妻に愛されたい~
「でもさあ、瑞希は生涯おひとり様を貫くって言ってたじゃない。そう決めてからは、告白されてもいっさい取り合わなくなって」

 その指摘は想定内だ。

「うん、そうなんだけどね。彼は……冬馬さんっていうんだけど、私を守ってやると何度も言ってくれて。その……」

「絆されたってわけね?」

 呆れ顔の友人に、へにゃりと眉を下げる。

「で、でもね、後悔はないの。彼はいつだって私を気づかってくれるし、私も一緒にいて安心できるし。誰かと一緒にいるのも、それほど悪くはないなって」

「……瑞希は今、幸せ?」

 じっと私を見つめていた公佳が、不意に核心をついたようなことを聞いてくる。

「もちろん」

 動揺していると、見破られませんように。
 一方的に私が想っているだけだとしても、彼の隣にいられるだけで十分に幸せなのは事実だ。

「それなら、ひとまず安心した」

 前のめりになっていた体を起こす公佳に、ようやくほっとした。

 お互いの近況報告を済ませ、しばらくケーキを堪能する。

 食べ終えた頃を見計らって、私からおずおずと切りだした。

「同僚にね、相談されたんだけど」

 今度はなんの話かと、公佳が視線を向けてくる。

「えっと、付き合っている人がいてね。普段から仲は良好で、同棲もしているの。もちろん体の関係もあって。それなのに、好きだとは言ってくれないらしくって」

「ヘタレね」

 ぴしゃりと言いきられて、うっと言葉に詰まる。
 同僚のこととして話しているけれど、実際は私と冬馬さんの関係だ。彼がヘタレだとは思わない。
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