彼らの夏が終わる
 メイサは肩をすくめて大雅から目を逸らした。

 手にしていたノートを開き、愛香の方へ向き直る。

 海斗(かいと)(しょう)が大雅の元にやってきた。


「……怒られてました?」


 海斗が神妙な顔で聞いてきて、大雅は思わず噴き出した。


「ううん、叱られてた。いやーサッカー部の女マネ、厳しいって聞いてたけど、ほんとだわ」

「俺もサッカー部の連中から、よく聞かされてます。そのわりにあいつら嬉しそうなんすよね……そういう趣味なんすかね」


 首をかしげる翔を見て、大雅は思わず頷いた。


「……わからんでもない」

「えっ、マジです?」

「三年の中では人気あるけど、須藤以外には塩対応だって有名だしな、三枝」


 大雅はコートを振り返った。

 一輝と藤也が、予想よりもずっと穏やかな様子で話している。


「なんすかね、戦って仲良くなったんですかね」

「ジャンプか?」


 翔と海斗が笑った。

 大雅は再び愛香に向き直った。


「愛香」

「ん?」

「須藤と三枝、いつまで借りんの?」

「夏いっぱいでお願いしてるよ」

「……そっか。俺、いつから傍観者になってたんだろうな。だせえな」


 大雅が呟くと、一輝は藤也に背を向け、大雅と愛香のもとへ歩いてきた。

 海斗と翔は「俺らも藤也と戦って、親友兼ライバルになってこないと」と笑いながら言い、藤也のもとへ走っていった。

***

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