悪魔は夜に笑う
「俺、あゆなさんの考えてること時々分からない」


続けて呟いた言葉を皮切りに、重い罪悪感に苛まれる。
下手にフォローするのは違う気がして口をつぐんだ。

投げやりな言葉に見えて、蒼士郎くんは私の口から否定の言葉が出てくることを望んでいる。
だけど、どんな言葉にすれば蒼士郎くんは傷つかずに済むだろう。
嫌われる絶好の機会なのに、それを拒もうとする自分がいることに驚いた。

こんなの、好きと認めているようなものじゃないか。


「私も、蒼士郎くんと同じこと思ってる。何考えてるか分からないから、心情を探りたくて試すようなこと言った。ごめんね」


こうなったからには、まずは素直に心の内をさらけ出すしかない。

何考えてるか分からないって思いは、私が蒼士郎くんに抱いている気持ちでもあった。
常に腹の探り合いをしている感覚で気が抜けない。
だからってこんな試し行為、最低じゃないか。

面と向かって謝罪すると、なぜか蒼士郎くんは不思議そうな顔で私を見つめていた。
初めて見る表情だった。
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