悪魔は夜に笑う
過去の恋愛の中では割とマシなエピソードだけど、果たして蒼士郎くんとの関係は一体どんな結末を迎えるのか。
苦い思い出になりそうな想像ばかり膨らむのに、惹かれてしまうのはかなり危険なニオイがする。


「早く私への熱が冷めてくれないかなって期待してる。いっそ誰かとくっついてよ」

「それって要約すると俺のこと好きってことじゃない?」


再び試すような言動で顔色を伺っても、蒼士郎くんは決まって笑顔で私の不安を払拭する。
発言のどの部分から好意を感じ取れたのだろうか。


「なんでそうなるん」

「あゆなさんは臆病だから徹底して疑いたくなるんでしょ。もう分かってるから気が済むまでどうぞ」


どうも私のあまのじゃくな性格から察したみたい。
私は蒼士郎くんのこと全然分からないのに、蒼士郎くんは私の習性を暴いていく。

それじゃフェアじゃないから私も知りたいのに、ハッピーエンドが確立してない恋だからって尻込みしてしまう。

暗がりの中で端正な顔を見つめる。蒼士郎くんは「じゃあ風呂借りる」そう言って立ち上がった。
なんだか引き止めたくなって私は口を開いた。
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