悪魔は夜に笑う
蒼士郎くんがシャワーを浴びている間に眠ってしまったようだ。
それが分かったのは、お風呂上がりのシャンプーのいい匂いがする蒼士郎くんに頭を撫でられていたから。

目を開けると暗い中、蒼士郎くんの口が動いたて笑ったのが分かった。
すると顔を近づけ、唇を重ねるだけの優しいキスをする。


「好きだよあゆなさん」


そして至近距離で想いの丈を打ち明ける。
無下にできなくて、私は返事をする代わりに腕を広げて蒼士郎くんをベッドに誘った。
蒼士郎くんはベッドに横になると、私を抱き寄せ再びキスをした。


「ねえ、ちゃんと付き合って」


熱のこもった蒼士郎くんの声が耳元で放たれる。
どうして私なんだろう。蒼士郎くんに迫られると疑問が頭を駆け巡る。
私の知ってる蒼士郎くんは他人にこんな執着しない。
私にそれほども魅力がある訳じゃない。過去の恋愛は惨敗もいいところだし。


「返事は後でいいから、今は俺に集中して」


返事をしなくても蒼士郎くんは急かさない。
言葉にしなくても私の態度に出てるから。
しがみつくように抱きしめてキスをねだって、嫌がる素振りなんて全然ない。
心の内では明日仕事なのにとか不満は浮かぶけど、それ以上に多幸感を得たくて触れ合っていたい。

甘く惑わされて引き返せなくなる。
いっそのこと溺れたくて、私は自分から唇を重ねた。
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