悪魔は夜に笑う
「ごめんね」
蒼士郎くんの弱々しい声に思わず目を開ける。
身勝手な選択を怒られると思ってたから。
しかし、眼前の蒼士郎くんは固く結んでいたはずの口元を綻ばせていた。
張り詰めるような厳しい表情は春の雪解けのように溶けて、私の知っている蒼士郎くんの楽しそうな表情だ。
まるで愛しくてたまらないって思ってるみたい。
そんなはずない。ヒステリックな女なんてどんな男も願い下げのはず。
「俺、相当あゆなさんのこと好きらしい」
続く言葉に疑問は膨らんでいくばかり。
自分のことなのに客観的な意見ってどういうこと?
首を傾げると蒼士郎くんはなだらかに弧を描く微笑のまま口を開いた。
「嫉妬されたり追及されるのめんどくせえって思うけど、あゆなさんが不安がってるの見たら嬉しくてたまらない。
俺のこと自体が嫌いになったわけじゃないなら諦めきれない。だからごめんね」
諦めきれないって、蒼士郎くんはまだ私のことが好きなんだ。
彼ほどの男に追いかけられるほど、自分に魅力があるなんて思えない。
蒼士郎くんがこれまで選んできたおしとやかな女性とは比べ物にならないほど、やかましいしじゃじゃ馬だし口も軽いし。
「誓約書作ってもいいよ。俺がもし浮気したら慰謝料支払う、みたいな」
蒼士郎くんが直視できなくて店の壁に視線を走らせる。
すると私の不安を拭おうと彼の口からとんでもない発言が。
自分が不利になってもいい条件を取り決めるなんて悪魔らしからぬ発言だ。
「俺のことまだ好き?あゆなさんの口から聞きたい」
蒼士郎くんの弱々しい声に思わず目を開ける。
身勝手な選択を怒られると思ってたから。
しかし、眼前の蒼士郎くんは固く結んでいたはずの口元を綻ばせていた。
張り詰めるような厳しい表情は春の雪解けのように溶けて、私の知っている蒼士郎くんの楽しそうな表情だ。
まるで愛しくてたまらないって思ってるみたい。
そんなはずない。ヒステリックな女なんてどんな男も願い下げのはず。
「俺、相当あゆなさんのこと好きらしい」
続く言葉に疑問は膨らんでいくばかり。
自分のことなのに客観的な意見ってどういうこと?
首を傾げると蒼士郎くんはなだらかに弧を描く微笑のまま口を開いた。
「嫉妬されたり追及されるのめんどくせえって思うけど、あゆなさんが不安がってるの見たら嬉しくてたまらない。
俺のこと自体が嫌いになったわけじゃないなら諦めきれない。だからごめんね」
諦めきれないって、蒼士郎くんはまだ私のことが好きなんだ。
彼ほどの男に追いかけられるほど、自分に魅力があるなんて思えない。
蒼士郎くんがこれまで選んできたおしとやかな女性とは比べ物にならないほど、やかましいしじゃじゃ馬だし口も軽いし。
「誓約書作ってもいいよ。俺がもし浮気したら慰謝料支払う、みたいな」
蒼士郎くんが直視できなくて店の壁に視線を走らせる。
すると私の不安を拭おうと彼の口からとんでもない発言が。
自分が不利になってもいい条件を取り決めるなんて悪魔らしからぬ発言だ。
「俺のことまだ好き?あゆなさんの口から聞きたい」