悪魔は夜に笑う
やっぱり赤嶺くんは私たちが付き合ってるのを知らなかった。
にしても赤嶺くん、肺活量が化け物だからうるさい。
店の外まで聞こえたんじゃないかってレベル。


「そんなに驚く?」

「蒼士郎の今までのタイプと違うじゃないか」



驚くよね。蒼士郎くんと言えば黒髪巨乳おしとやか系美女だから。
やっぱりみんなそう思うんだ。当の本人もなんで私なんだって疑問に思ってるけど。


「けどお似合いでしょ?」


タイプが違うと言われても、蒼士郎くんは楽しそうに笑って満足そう。
まるで私と付き合えたのがそんなに嬉しいみたいじゃないか。
私に向けられた笑顔じゃないのにノックアウト。
顔が赤くなって急激に喉が乾いた。

しばらく放心状態だった赤嶺くんは、ふと我に返って蒼士郎くんの肩に手を置く。


「友人代表スピーチは任せてくれ」

「飛躍しすぎ」


赤嶺くんは付き合ってると聞いただけで結婚式まで想像したようだ。
私の年齢を考えたら結婚前提って思うか。


「じゃあせめて余興を……」

「こっちの結婚式って、最近余興あんまりしないんですよ」

「そうなのか、沖縄とは違うな」


赤嶺くん、お祝い事が好きなんだろうな。
率先して余興とかしてくれそうなイメージがある。
するとその時、店の扉が開いて来客を知らせるベルが鳴った。


「ご両人、お幸せに」


赤嶺さんはウインクをしてカウンターを出て来客対応に向かった。
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