悪魔は夜に笑う
「あゆなさんと付き合ってようやく自分にとっての理想が分かった。俺は無人島に行っても四六時中バカ騒ぎできるような人と結婚したい」

「その理想に私が当てはまったと!?」


しかし準備するまでもなかった。
あれおかしいな。想像した甘言の斜め上を行く言葉が蒼士郎くんから繰り出された。
驚愕が大声となって深夜の住宅街に響いていく。


「だっていつも喋り倒して元気有り余ってるみたいから。知ってる?寝言もうるさいんだよあゆなさん」


甘やかな理想が砕け散ってやっぱりこの男は悪魔だったと痛感した。


「つまり、泣いても笑ってもやかましい人がいい。でも自己中じゃなくて空気が読める人」

「ねえもはや罵倒なんですけど!」

「落ち込んでもずっと喋ってて面白いし……ちょっとアリかもってうっすら思ってた」


うるさいとかやかましいとか、自分の性格は分かってるけどボディブローを食らっている気分だ。
そこが好きって偏屈過ぎない!?

今までおしとやか系がタイプだと思い込んでたけど、いわゆる一風変わった「おもしれー女」が好きだと気づいたってこと?
それってつまり、私よりおもしれー女が現れたらピンチじゃない!?


「しかも泣き顔かわいいから、それに落ちたって言うか」


ショックを受けていたら、なにやらかわいいという単語が聞こえた。


「泣き顔かわいい?初めて言われた」

「うん、チャウチャウみたいでかわいい」

「待っ……なんて?」
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