悪魔は夜に笑う
そして、ニヤリと含みを持たせて笑みを零した。


「で、なんで愛結那ちゃんのなのに蒼士郎の家の鍵が付いてるの?」

「はわわ……」

「あれ?カマかけたけどビンゴ?ほんとに付き合ってる感じ〜?」


璃世ちゃんはさっきから手のひらで弄んでいる猫のキーホルダを揺らして私の前に証拠品のように見せつけた。
カマかけてくるなんて悪い子!

やっぱり中学生女子の恋バナレーダー精密すぎる。
私は驚いて意味不明な驚きの声を発するだけだった。


「へえー、付き合ってるんだ」


肯定も否定もしていないけど、こんなに動揺したら正解だと言っているようなもの。
すると彼女はカウンター席にひらりと身を翻して座ると席を回して手招きしてきた。
隣に座ると、目の前にいる蒼士郎くんをチラチラ見ながら手を握られた。


「蒼士郎で大丈夫?いかにもクズ顔じゃん。遊んでそうだし」

「そういうの本人の前で言うなよ」


双方ごもっともなことを言っているけど、ここは恋人の肩を持つべきか。


「歴代彼氏の中でぶっちぎりいい男だよ蒼士郎くん」

「ほんとに?愛結那ちゃん男運ないから心配」


ところがフォローしたつもりが逆に不信感を募らせてしまった。
蒼士郎くんに助けを求めて目配せしたけど、可哀想にって目を細められてそれっきり口を挟んで来なかった。
< 169 / 181 >

この作品をシェア

pagetop