悪魔は夜に笑う
「ねえ蒼士郎、ノンアルで何か作って」


その後質問攻めを食らったのは言うまでもないけど、10分くらいして璃世ちゃんはカウンターで準備をする蒼士郎くんに話しかけた。
割とあっさり切り替えてくれて助かった。

蒼士郎くんは手を止め、短くため息をついた。


「ノンアルはアルコール入ってねえけど20歳以上じゃないと提供できません。そもそも18歳以下は来店できません。お帰りください」

「保護者同伴だからいいの。しかも開店前だし」


蒼士郎くんはいつに増して塩対応。かと言って本気で嫌がってるわけではなさそう。
彼にとっても璃世ちゃんは妹みたいな存在だろう。
だけどつっけんどんな態度を取るのは、悪魔と小悪魔、似たもの同士で相性悪いからかな。


「ね、パパ。忘れ物届けたお礼に一杯くらいいいよね?」

「仕方ないなあ。蒼士郎くん、よろしく」


さらにマスターまで巻き込まれたら蒼士郎くんに拒否権はない。
「マスターも璃世に甘いんだから」そうぶつくさ言いながらカウンター下の冷蔵庫からボトルのようなものを取り出した。

「飲んだらさっさと帰れよ。制服でこの辺うろつくの危ないから」
「蒼士郎優しいね」


璃世ちゃんが上目遣いで茶目っ気のある笑顔を浮かべる。
そんな様子をマスターは微笑ましく見守っている一方で、蒼士郎くんは思いっきり顔をしかめた。

なかなか珍しい蒼士郎くんが見られて私も楽しいくて、マスター同様2人のやり取りを観察していた。
< 170 / 181 >

この作品をシェア

pagetop