悪魔は夜に笑う
「そーだよ今さら!?免許証見せたのに」

「あの時は免許証の色と、大阪に住んでたんだってことしか見てなかった」

「ああ、そうそう。関西出身だからね」

「え、そうなんだ」


それにしても蒼士郎くんや。私に興味なさすぎでしょ。
週2で通ってる常連客の情報くらいインプットしといてよ。


「よう覚えとき!奈良出身なのに愛結那の“な”は那覇の“な”やねん。
関西おる時はなんべんつっこまれたか。まあ今となってはええ持ちネタですわ」


怒涛の関西弁で改めて自己紹介。
確かに大学から関東に居るからこっちでは標準語。

けど地元に帰れば全く標準語が出ない。
東京に染まったなんて思われたくない部分もあるけど。


「ふーん、愛結那……漢字からキューピットなんですね」


蒼士郎くんは私の名前自虐を素通りして愛想笑い。
ツッコミ入れへんの関西では重罪ですけど!
で、なんなんその貼り付けたような微笑み。何考えてんの?


「その顔うざい!」

「おかしいな、みんなこの顔すると顔赤くするのに」

「作り笑いなの私にはお見通しだからね」


なぜ今になって愛想笑いで私を試した。
理解不能だ。体を重ねたって分からないことが多すぎる。

ああ、また蒼士郎くんが脳内キャパシティを占領しようとしてくる。
早く昨夜の過ちを忘れたいのに。
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